「工程管理革命の実践」の目次
第一部 序篇 | |
第一章 現状を認識する 3 | |
第一節 規範の起こりから現代まで | 人は強烈な「競争心」で繁栄し、経済形態により富にバラツキが生じる。 |
第二節 日本の規範 | 日本は、社会主義と自由主義の中庸形態であり、負の部分が足かせに。 |
第三節 官公庁の規範 | 官は既定の「きまり」で執行。官指導の日本企業は前例主義に成り勝ち。 |
第四節 日本的管理と現状 | コミュニケーション・スタイルから見た日本的管理者の特徴。 |
第二章 日本の工程管理 19 | |
1)技術蓄積にパソコンを使う | 日本はOJT型で技術伝承をしたが、正確性・スピードなどで遅れが。 |
2)情報化時代と先輩技術者 | 現場のPC操作で、苦手な先輩と得意な若者。施工技術伝承に断絶が。 |
3)市場経済と管理システム | 経営は可能性の追求。市場経済では、「良い物を安く」提供すること。 |
4)標準工程表の捕らえ方 | 効率化は標準化から。実績工程表を一つ作れば、標準工程表の第一号。 |
第三章 建設業と請負管理 22 | |
1)建設業の請負管理が病巣(ガン) | マネジメントの放棄。着工前の請負契約、指示ロスの押し付けがガン。 |
2)請負管理の歴史 | 昔は現場代理人に施工をつかみ金で請負わせた。今は実行予算書で評価。 |
3)請負管理と施工業者 | 「u単価見積」はいい加減。そのままでは原価削減の対策に使えない。 |
4)予算書ではコストダウンできない | 予算書は建前書類。本来の管理をすると、毎年、歩掛の改善を続ける。 |
5)アクションとリアクション | 週間工程表はリアクション的。ペーパーで工程表を書いていた頃の遺産。 |
第二部 入門編 | |
第一章 工程管理を再考する 29 | |
第一節 建設業経営と工程管理 29 | |
1)市場経済に対応するには | 「良くて安い」ものが売れる。品質を維持し、安く作れるのが「技術」。 |
2)経営者・管理者・社員の評価者 | 自由で公正で透明を求める市場経済。民衆パワーが組織を評価する。 |
3)今こそ建設業は改革の時 | 輸出産業はオイルショック・円高に革命的対応。今、国内向け産業の番。 |
4)工場生産と建設業はここが違う | 元請の管理下で下請が施工をする。元請の指示が下請の生産性を決める。 |
5)コストダウンの進行過程 | 損をさせる代人には高い見積書が。下請が儲かると原価縮減に向かう。 |
6)四大管理の現状 | 「安全・品質・原価・工程」を建前で。建前では「管理」にならない。 |
7)知識や経験の蓄積で問題解決 | ミスは毎日発生。ミスを記録し利用しやすくすると、未然防止できる。 |
8)管理の最終目的 | 目的はコストダウン。本物の管理は、サイクルを回すたびに下がる。 |
9)デジタル情報による工程管理 | 施工管理系の重要情報は「計画」。計画用のデジタルデータを整備する。 |
第二節 建設現場と工程管理 38 | |
1)工程管理と工程監視 | 実績工程を生かして管理。適当に作った計画に合わせるのは工程監視。 |
2)コストって何だろう? | 原価=材料費+加工費。加工費は時間に比例。コスト管理=時間管理。 |
3)利益率を上げるには | リストラも管理方法が同じなら利益率は同じ。効率化で利益率向上を。 |
4)工程データと標準工程表 | 工程管理に不可欠な4つの工程データ。標準工程表で再利用し易く。 |
5)2つの工程管理サイクル | @1現場内で管理サイクルを回す。A各現場の実績を次の計画に生かす。 |
6)DOから始める管理サイクル | 直ぐPLANはムリ。DOから始め、実績データを揃えて計画に生かす。 |
7)スマートな元請はこうする | 現場の四大管理データを駆使し、マネジメントで下請に利益をもたらす。 |
8)スマートな施工業者はこうする | 元請の言いなりでは利益は出ない。指し値を満たす工程計画を提案。 |
第三節 工程表の分類 44 | |
1)利用目的による分類 | 施工関係者用の管理用工程表と、事業関係者が利用する提出用工程表。 |
2)表示期間による分類 | 全体・月間・週間の各工程表。しかし、管理には最適化した実施工程表。 |
3)表現方法による分類 | フロアー毎等の部位別工程表と、職種毎にまとまりやすい作業別工程表。 |
4)実施工程表(最善工程表)の作り方 | 実績を基に叩き台工程表を作り、これをシミュレーションで最適化する。 |
5)実施工程表の利用法方 | 実施工程表は施工が最もラク。変わったら再最適化。実績データの記録。 |
第四節 工程管理から見た工事分類 51 | |
1)点工事の特徴 | 建築工事や土木の作工物工事。作業順序が厳密で、資源の平準化が困難。 |
2)線工事の特徴 | 道路や河川の長距離工事。資源の平準化が容易。稼働率向上と天候戦略。 |
3)面工事の特徴 | 圃場整備や宅造工事。線工事に類似。稼働率向上と天候戦略が最重要。 |
4)トンネル工事の特徴 | 道路や鉄道のトンネル工事。数種の工法による最善計画を比較して決定。 |
第五節 なぜ、工程管理が難しいか 58 | |
1)PERT開発の過程を学ぶ | バーチャート工程表の欠点を是正し、コンピュータ処理を可能にした。 |
2)マスタープランに危険が潜む | 全体工程表をブレークダウンした週間工程表では、終盤が突貫工事に。 |
3)工程表を作る順序が間違い | 詳細不明な全体工程表を目当てに、少しずつ週間工程表を作ると間違う。 |
4)正しくは叩き台から作る | 最適化を目指すため、現場条件を詳細に盛り込んだ叩き台工程表を作る。 |
5)なぜ叩き台工程表が作れないか | 施工した工事の実績データ(実績工程表)を収集していないため。 |
6)工程表を比較する目的は? | 単に計画と実績の比較に使い続けると、計画工程表が建前的に作られる。 |
第六節 期待に応える工程管理 67 | |
1)工程管理を楽にする方法 | 難しいのは参考データが無いため。今、施工中の実績データ収集がカギ。 |
2)日本人の資質は工程管理にあう | 全体の一部と捉える日本人。細部の実績データを手にすれば鬼に金棒。 |
3)建築工事の効率化ポイント | 実績に基づく叩き台工程表でもダメ。最適化のシミュレーションが必要。 |
4)建築の期待利益は10倍以上 | 担当職種が多く、元請指示の3M(ムリ・ムラ・ムダ)が原価の3割に。 |
5)土木工事の効率化ポイント | 職種間の前後不一致が少ない。天候戦略に基づく、施工順の検討が必要。 |
6)土木の期待利益は4倍 | 天候戦略で5%、工期短縮で5%の原価削減。その後、毎年、歩掛好転。 |
7)施工業者に大きなメリット | 専門分野のため、データ収集が容易。工程表が作れると、自社もラクに。 |
8)先人の知恵を伝える工程表 | 工程データに「先人の知恵」を書き残し、全社でデータの共有化を図る。 |
9)ビジュアル化で技術蓄積をスムーズに | OJTでは低スピード。役立つカイゼン・データを視覚的に適時表現。 |
10)挑戦者の声 | コスト・パフォーマンス。システムがフォローアップ。その他。 |
第二章 ISO9000sと将来 85 | |
第一節 ISO9000sの生い立ち | 多民族国家のマニュアルが起源。マニュアルの違いが品質の違いになる。 |
第二節 ISO9000sが求めるもの | 物の品質保証ではなく、企業の品質マネジメントをオープンにすること。 |
第三節 ISO9000s認証取得の前に | 先に現場業務のマニュアル化をしないと、負担が集中して原価が嵩む。 |
第四節 ISO9000sと工程管理 | 実績工程表の収集で、マニュアル化を容易に。認証後も工程管理に役立。 |
第五節 ISO9000s認証取得後のメリット | ISO9000sは、本音で取り組むべき。本音ですると、効率化に役立。 |
第六節 第三の波と建設業 | 景気刺激策としての公共投資は、建設業界の問題先送り。良い物を安く。 |
第三部 導入編 91 | |
第一章 工程管理を導入する 93 | |
第一節 工程管理導入向けヒント 93 | |
1)導入に欠かせないポイント | 事務の合理化ではない。人間心理。実績収集。管理者側にもメリットが。 |
2)施工管理は指導で定着させよう | 命令語を理解できぬ若者。命令だけでは管理者失格。指導がおすすめ。 |
3)財務会計と管理会計 | 現場に財務会計を求めると、利益率が落ちる。現場には管理会計だけを。 |
4)原価管理と数量管理 | 金額ベースでは原価管理ができない。数量ベースなら原価削減ができる。 |
5)工程管理と事務の合理化 | 事務の合理化は数十万円/年。工程管理はその100倍。取組はどちら? |
6)工程管理で失敗する方法 | 計画と違ったことで怒ると、失敗する。怒られない工程計画を作るから。 |
7)現場技術者はこう反論する | 工程管理ができない理由を沢山あげる。本当は「未経験」だからです。 |
8)詳細な見積書 | 市場経済は自由・構成・透明な社会。詳細な見積書が工程管理をラクに。 |
9)基本に戻り単純化する | 金額評価は複雑系。現場目標を単純化し、快適環境を作る。新取組を。 |
第二節 工程管理導入の決断 105 | |
1)今の日本では経営者 | 企業は経営者が舵取りをする。導入ポイントを押さえ、決断すべき。 |
2)管理システムの早期定着 | 生産性向上は、全社の願い。責任追求型をやめ、原因追求型に変化を。 |
3)職責を言えば管理者 | 全社的立場で状況判断するのが管理職。判断情報の収集は、工程表で。 |
4)自分のためなら技術者 | 「注文主の自社施工が安価に!」なら、技術者の腕がアマチュア並みと。 |
5)システムを決定する前に | 着手先行型ではなく、「何のためにするか」と言う理念先行型で行う。 |
6)システム選択を上手にする方法 | 選択基準は知名度などでは無い。自社の目的と、開発会社の開発目的。 |
第三節 工程管理の導入に向けて 114 | |
1)工程管理システムの導入ステップ | ルールとPC操作。作業名等標準化。実績データ。叩き台・最善工程表。 |
2)実績データの集め方と対象工事 | 二つの実績収集法。対象現場は、得意分野で中規模工事とする。 |
3)実績データの収集 | 工程データの内容。標準資源データ。収集時の例、注意、歩掛など。 |
4)工程データの自動計算 | 今回の作業量を入力すると総資源数を計算。所要時間を決められる。 |
5)叩き台工程表を作る | 類似の実績工程表をコピー。カレンダー等の編集、作業矢線の加除。 |
6)最善計画にシミュレーションする | 叩台工程表を使って、工期短縮と資源の山崩をシミュレーションする。 |
7)標準化の対象作業 | 日常繰り返される平凡な作業を選ぶ。標準化しやすく、効果が出やすい。 |
8)作業名の設定 | 作業名の設定は標準化の第一歩。作業の区分。要素作業と一連作業。 |
9)作業名の設定ポイント | 何を(一般的な物の名称)+どうする(一般的な作業内容)が基本。 |
10)資源名の設定ポイント | 簡潔で、(特殊な場合を除き)全現場共通に使えることを目指す。 |
11)データの標準化とIT革命 | オールドビジネスにITを利用すると、会社の売り物が確立できる。 |
第四節 工程管理システムの検討 133 | |
1)工程管理システムに必要な機能 | 実績データを近いイメージで残せる。データの使い回し。問題が分かる。 |
2)モデル化機能 | モデルとして使うには、歩掛計算・工期短縮・山崩支援機能が欲しい。 |
3)モデル化機能の詳細 | 資源数の連動は作業量だけではない。理論通りの計算だけではない。 |
4)パソコンの対応と人の対応 | 標準化部分は「システム」が対応し、未標準化部分は「人」が対応する。 |
5)ソフトメーカーの事情 | 各社のソフト名称が同じでも、中味は異なる。目的の次元を合わせる。 |
6)導入しやすい工程管理システム | 海外製のプロジェクト管理システムの例。契約社会など文化の違いが。 |
7)市場経済対応システム | 実績工程表に四大管理を記録できると、効率化と技術蓄積が目指せる。 |
8)工程管理システム「キャドパート」 | 「工程管理でコストダウン」を目指したシステムを紹介しています。 |
第五節 工程管理の今後 142 | |
1)積算を再検討する | 見積金額は工程表を基に積算。発注者の積算金額は参考にはなるが‥‥。 |
2)キーワードの体系は「NDC」 | 効率化にはデータの標準化が必要。→ND基準の作業名コード化も必要。 |
3)管理単位の基準 | 管理単位を1時間にしたら、数十%効率化した例。労働強化ではない。 |
4)科学的な経営管理 | 工程管理で実態がラクに捕捉できると、科学的な経営管理が可能に。 |
第二章 ネットワーク工程表の基礎知識 149 | |
第一節 工程表の種類 149 | |
1)ガントチャート図 149 | |
2)PERT図 150 | |
第二節 ネットワーク工程表 151 | |
1)PERTの語源 152 | |
2)PERTの歴史 152 | |
3)PERTとCIMとCAD 152 | |
第三節 三つの描画ルール | 専用システムを使うと、三つのルールで工程表が扱える。 |
1)一つの作業の表し方 153 | |
2)複数の作業の表し方 154 | |
3)ダミーの表し方 156 | |
第四節 結合点時刻計算 157 | 理論的に知りたい方のために。 |
第五節 ネットワーク工程表の練習問題 163 | 三つのルールを覚えるための練習問題。 |
資料 179 | |
語句の説明 181 | |
キャドパートの紹介 184 | 「工程管理革命」を支援する専用システム |
索引 191 | |